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自主開催セミナーってどうなの?

セミナー講師などしていると、たまに「自主開催セミナーって開いた方がいいんだろうか」という話になることがあります。

私自身は講師をメイン事業にしているわけではありませんが、自主開催セミナーも商工会議所のセミナー講師もどちらもしたことがあります。

私はデザイナーなんですが、なぜか士業の方とお知り合いになることが多く、そのうちに数人の方とは飲みに行ったりする機会もあります。そういう場所でたまに話題にあがるのが、セミナー開催についての話。士業と言ってもいろんな資格の方がいらっしゃいますので、自主開催だけではなく、別事業者開催のセミナーに講師として招かれたり…と内容は様々です。

自主開催セミナーは大変…

私自身の経験と話の感触からして、自主開催セミナーは集客が大変です。最初は仲のよい方やお客様がお付き合いかねて参加してくれますが、次第にネタ切れになってきます。この場合のネタというのはセミナーのテーマだけでなく、集客リストという2つの意味です。

また、すべてを1人で行うと集客だけでなく、資料作りや会場手配、レイアウト、受付などやることが多い割になかなか成果が出ません。

私自身は2回自主開催セミナーを行っただけで撤退しました。撤退した理由は上記だけでなく、共同開催した方との折り合いがうまくつかなかったからです。同業者と2人で集客からすべて行うということで始めたのですが、よくある話で片方だけに作業の比重がかかってしまい、開催そのものが嫌になってしまったのです。

ちょうどその頃、商工会議所のセミナー講師の話が決まっていましたので、セミナーの練習を兼ねてお得意様にお付き合いしていただきました。場所代だけはいただきましたが、資料のコピー代や交通費などを入れれば、完全に赤字でした。

しかも最初の自主開催セミナーの受講者は2人。自主開催セミナーをしたことがある方からは独立当初でしかも友人・知人が少ない状況下でよく2人集めたと言われましたが、かなりショックでした。内容も当初考えていた内容ではなく、お得意様が相手だったので、個人相談に近いような内容になってしまいました。これはこれでお客様の反応は悪くはなかったのですが、反省点が多すぎました。

その後の商工会議所でのセミナーですが、集客は商工会議所がすべてしてくれますので、その点は安心でした。ただし、セミナー内容とアフターフォロー、アンケート結果がよくないと1回で終わってしまいます。

今のところ、ダブル講師でのセミナー開催ですが、同じ商工会議所様で3年講師をさせていただいております。今年も秋開催が決まりかけていたのですが、諸事情により来年からはそれぞれ1人でセミナー講師をしませんかとの打診を受けています。これはこれで、よかったと思っています。

…で、結局自主開催セミナーってした方がいいの?

独立当初は実績も少ないため、自主開催であろうとセミナー講師の経験があるというのは事業を行う意味ではやはりプラスだと思います。私も最初の自主開催セミナーは失敗に終わりましたが、その話を聞いた方からマンツーマンで教えてほしいという依頼があったりしたので、人脈が広がったように感じます。

受講生の方がそのままお客様になられるケースもありますし、直接の顧客にならなくてもご紹介いただくこともあります。

ただ、商工会議所でのセミナーは直接のお客様には今のところつながっていません。つながりかけた方は複数いらっしゃるのですが、正直もったいないですね。FBなどでコメント残してくださったり、お友達申請してくださったりする方もいらっしゃいます。

商工会議所でのセミナーは終了時間がいつも閉館時間間際ということでセミナー終了後すぐに会場を出ないといけないのです。なので、セミナー終了後に大事な名刺交換など連絡先の交換ができないまま、セミナー終了してしまうのが原因の1つになっています。

自主開催する場合は、必ずセミナーの最後に交流会や名刺交換会などを設けましょう!
これはかなり重要です。

自分の宣伝ってどこまでしていいの?

春先にさせていただいたセミナーで初めて自分のチラシを配らせていただいたのですが、これは好評でした。今まで何やってたの!?っていうツッコミはしないでくださいね(苦笑)ダブル講師だったということもあり、お互いに牽制していて、なかなか自分の宣伝ってしにくいものなんですよ。その時はお互い一致ということでそれぞれチラシだけ配布させてもらったんですが、チラシ配布だけでも効果が高いなぁと感じました。

本当は配布だけでなく、もう少し説明が出来たらよかったんですが、その時間はいただけなかったので、自主開催されるときは10分ほどでよいのでその時間を作るといいと思います。

このチラシを配布した時は非常に好評だったのですが、その後思いの外戻りが悪かったです。これも原因があります。
「相談1時間無料」をメインにしたチラシで、後は自社サービスを並べただけですが、肝心の「いつまで」というのが完全に抜けていました。受講生の方から指摘があって、「あっ!」と思ったのですが、せっかくいいなぁと思ってもらっても時間が経つと忘れてしまうんですよね。

何かお知らせや参加者を集めたい時は、必ず「いつまで」を掲載しておきましょう。開催日から1か月くらいがちょうどいいんじゃないでしょうか。

この時に配布するチラシはデザインにこだわる必要はありません。「何を」「いつまで」「どうやって」がきちんと書けていれば、それでOKです。wordでの作成で、普通のコピー用紙に印刷するだけでいいと思います。
受講生の方への特典があるといいと思います。

こういうことに慣れていない方が集客しようとすると、集客のためのチラシ制作なのに資料作りと勘違いしてしまって、びっしり文字が詰まってる…なんていうことがないようにだけ気を付けてくださいね。

セミナーの内容は?

某セミナー主催者から聞いた話なんですが、「セミナータイトルと内容が違う」とか「セミナー内容が自社製品・サービスの説明会になっている」というのは、セミナー終了後、かなりのクレームにつながるとおっしゃってました。厳選したつもりでも、年に数回はこういうセミナーが混ざるとのことで、主催側はフォローが大変とのこと。それだけでなく、セミナー講師や所属事務所に対しての反感もかなりのものになるようで、こうなると何の為のセミナーか全く分かりません。

セミナーのタイトルは集客時にかなり重要になってくるので、集客できそうなキーワードや表現を盛り込みがちになります。そのきわどいところを狙いに行くのですが、やりすぎてしまうと上記のようなことになってしまいます。
また、セミナーの内容はいいのに、タイトルが平凡すぎ…というのも問題ですね。

集客しやすいセミナーの内容は「今旬の話題」らしいです。今なら例えば、「マイナンバー」とか「個人情報」とかでしょうか。逆に少し前に多かった話題やキーワードを使ってしまうと、内容はよくても「今更感」がすごくて集客しづらいようです。

あとは、セミナー時に一生懸命に、分かりやすく説明しようとすると非常に好感を持ってもらいやすくなります。上から目線だったり、これくらい分かるだろうと思って説明を省いたりすると、アンケートにすぐに書かれます。私の場合は、PC操作を教えることが多いので、前で話していてもあちこち話しながらフォローに回るのでいつも終わる頃には冬でも汗が滲みます。そういう姿はセミナーの内容如何に関わらず、非常に評価が高いです。

セミナーに慣れていない方が陥るのが、「早口」!自分では普通と思っていても、人前に立つと早口になるものです。ゆっくり話しすぎたかなと思うくらいでちょうどいいです。
最初の頃は、正直な友人・知人に聞いてもらったり、自分の声をレコーダーに撮ってみると分かりやすいです。聞くのは恥ずかしいですが、次はこうしようとかいろんな案が出てきますので、ブラッシュアップに最適です。

満足度があがるセミナー!

ちょっと難易度が上がってきますが、尊敬しているセミナー講師の方からお聞きしたプレゼンやセミナーのコツをご紹介します。

小見出しの通り「受講生の満足度があがる」コツなんですが、これは同時に真剣に聞いてもらうコツにもつながる内容です。

コツその1。セミナー時に資料を配布すると思いますが、その資料には概要だけしか書かない。理由は、せっかくセミナーを聞きに来てもらっているのに、資料を見たらそこに全部書いてあった!だったら、資料だけもらって帰ればいいってことになります。こうなると途中から寝てしまう受講者の方やスマホを触ったりして、他の受講者の士気まで下げてしまいます。
なので、配布資料には概要だけ書いて、後は口頭で説明する!これがコツです。

コツその2。ジェスチャーを多くする+ホワイトボードを利用する。ジェスチャーが多いとその人に視点が集中します。その結果、真剣に聞いてもらいやすくなります。ホワイトボードを利用するも同じで、前に何か書かれてあると、集中して見ようとします。どちらも前を向いて聞いてもらうコツです。

コツその3。これが一番難しいです。「間」です。
どういう意味かというとずっと話をしている講師が、突然無言になると下を向いていた受講者でも「何があったんだろう?」って気になってぱっと前を向きます。その無言状態を聞いてほしい話の前にうまく入れるんです。実際にこの話を聞いてからセミナーを聞くと、この方は随所にうまくこの手法を取り入れられていました。私もやってみたくて、セミナーの度に挑戦しています。うまくいった時は、ほぼ全員の顔がパッと前を向きます。

コツ番外編。受講者が多い場合などは、セミナーの間に質問を出して手を挙げてもらったりします。答えてもらえそうな雰囲気なら、受講者の方を名指ししたりマイクを渡したりしています。硬い雰囲気なら手を挙げるだけにしてもらいますが、それでもなかなか手が上がらない時は、考える時間を少しだけ作ってもう1度します。この手を挙げるという動作は受講者の集中力を回復することにもつながるので、おすすめです。

私はそういうキャラではないのでしませんが、他には服装を派手にしたり、話し方がコテコテの大阪弁だったり、熱血な感じだったりと自分のファンを作る工夫をされている方はたくさんいらっしゃいます。
確かにリピーターになってもらうのが、集客も楽になりますし、セミナー会場の雰囲気作りにもつながるので一番いい方法だと思います。そういう方のセミナーも何度か受講しましたが、私もどうも合わず嫌になってしまいました。

自主開催セミナーの集客方法は?

これについては掲載できるほどのノウハウは持っていないので、実際にあった話だけ掲載します。

名刺交換した人全員に案内を出す。とにかく数打てば当たる方式です。ただ、その方と近い間柄で何度も案内が来ると、断るのも大変になってしまうので、あまり頻繁だと嫌がられる可能性は大きいです。それで、関係性がこじれてしまった例も身近に多々あります。ちなみに頻度ですが、3~6か月に1度くらいの案内ならいいかなと思います。
ちなみに関係性がこじれても、当のご本人は知らないというケースがほとんどです。自然に距離を置かれているという感じですが、同じような境遇の方とお会いするとあの人からの案内が鬱陶しいという話になることがあるので、要注意です。

セミナー主催している会社と提携する。これについては賛否両論あります。理由は、提携時の契約内容です。集客だけしてくれるとか、後援としての名前貸しだけとかいろいろあるようです。

ネット集客する。ブログやHPで…というより、コクチーズとかセミナー開催情報をまとめているサイトなどに掲載しているようです。

facebookで集客する。つながっている人がビジネス関連ばかりだったりすると1日に何件もイベント案内が来ます。正直見るだけで嫌です。同じことを言っている人は大勢いらっしゃると思いますが、ひどい時には毎日数件来ることもあったので、これも要注意です。成果は分かりませんが、広告を出すのはいいかもしれません。私の場合は、自身のfacebookの投稿として記事をアップするだけにしてましたが、それでも数人の方が参加してくれました。

チラシ配布。初めての自主開催セミナーの時にやりました。これは「どこで」「どうやって」配布するかが命です。正直、知人にも協力してもらって500枚ほど配布しましたが、まったく効果なかったです。facebookに投稿しただけの方がよほど効果がありました。

顧客に対して宣伝する。セミナーの内容によってはこれはありだと思います。これもやはり案内頻度はほどほどにした方がいいと思いますが、参加してもらえる人は多いと思います。

顧客リストを作る。これは複数回セミナーを開催した時の話ですが、過去に参加してもらった人をリスト化するというものです。一度来てくれた方は来てもらえる可能性が高くなります。複数人でセミナーする一番の理由は自分の顧客+相手の顧客で相互効果を狙うというものではないでしょうか。集客が楽になります。
知人から聞いた話ですが、いつもセミナー締切1週間前くらいになる空席あと3席!の案内が来るそうです。最初は随分盛況だなと思っていたそうですが、毎度同じ内容で送られてくることが分かってからはこれも集客もコツだなと思ったそうです。

最近、知り合った税理士さんから月1回メールでセミナー案内が来るんですが、なぜかこの方だけは月1回でも嫌な思いをしたことがありません。いつもなぜだろうと思って、真剣にメールを見て研究させていただくのですが、気づいたことを少し上げておきます。

1.タイトルが明確で簡潔。セミナ―の日時と第00回セミナー開催としか書かれていないんです。セミナーもイベントっぽい名前にされているので、タイトルを見ただけで何のお知らせか分かるので、忙しい時は飛ばせるし、行きたい時だけ件名でチェックできるので、非常にいいです。

2.メール本文に余計な時節挨拶等がない。いきなりセミナーの内容が書かれています。読む方としては気が楽です。毎回丁寧な挨拶が入っていると、お返事しないわけには…と思って、気が滅入ります。

3.参加するには2名以上で。これはいいのか悪いのか分かりませんが、1人での参加は原則禁止で、誰か誘ってきてくださいというもの。集客の大変さは身に染みて分かっているので、うまいやり方だなと思いました。あとは、お酒を飲みながらのセミナーという趣旨なので、参加するのも気が楽です。

逆に嫌になったのは、毎回タイトルにセミナーの内容やメールマガジンの内容がびっしり書かれているもの。通常のビジネスメールに混ざってしまって、すごく嫌ですね。せめてタイトルの最初だけは何か統一してほしいものです。

まとめ

長くなったので、このあたりでまとめます。

自主開催セミナーはした方がいいのか!?独立開業したばかりの方はまずここで悩まれると思います。
結論から言うとした方がいいです。

上記のように大変なことが多いですが、集客の大変さを知るのはいいことだと思います。次第に他の主催者から講師を頼まれることも増えてきますから、その時に集客の大変さについて知っておくことは必要だと思います。

もう1つは、人前で話をすることに慣れておくこと。いい反応も悪い反応も自主開催だとすべて1人で受け止めなければなりません。それは事実です。次へのステップアップにつながるので非常にいいことだと思います。

最後に、自主開催であろうとも人が集まらなくても、開催すると実績になります。人が集まらないと正直、惨めです。でも、これが後で効きました。きちんと集客も場所の手配もしてくださったとしても天狗になることもないですし、もっといい内容にしたいと振り返る癖がつきます。

長期間、セミナーを続けるかどうかはそれぞれの判断ですが、やってみないことには始まりません。資格を有する職種なら仕事柄いずれセミナー講師や講演に呼ばれます。私の周囲の士業の方で自主開催含め、セミナーをしたことがないという方はいません。だいたい開業半年か1年くらいで講師として呼ばれている方が多いです。
なので、その準備としてもいいのではないでしょうか。