久々の投稿です。
今回はコーディングではなく、コンテンツ作りについて。
今、ホームページのリニューアルを予定されている会社様があるんですが、その会社の打ち合わせが徹底しているんです。
いわゆる大企業ではなく、どちらかというと町工場といった趣の会社さんです。
その会社さんとの打ち合わせを通して、改めて見えてきたコンテンツ作りの大切さを今回は記事にしたいと思っています。
まずは何を決めるか?
サイトのリニューアルの場合は、担当者の方がすでにサイト作りを経験されているので、お客様からのご要望に合わせた形で進めることが多いのですが、特に初めてホームページを作る方は考えていただきたいことがあります。
まずは、「誰に」「何を」「どうやって伝えるか」を考えていきます。
なんかコンサルみたいやん、と突っ込みが入りそうですが、この3要素がきちんと決まっていないとブレまくります。
デザイン、ページ構成、内容…どれを取っても軸がしっかりしていないと、迷いが生じます。往々にしてこの迷いというのはいい方向に働かないことが多いです。
「誰に」というのは、新規顧客に対してなのか、既存顧客に対してなのか?または特定のサービスや製品を探している方向けなのか?等いろいろ考えていただきたいです。
「誰に」がある程度定まってきたら、次は「何を」を決めていきましょう。
製品メインなのか、会社全体の概要を掲載したいのか、またはサイトで何かを販売したいのか…
ここ1・2年で多くなったなと思うのが、従業員採用がしたいので、募集者に対してどんな会社なのか分かりやすく掲載したいというもの。この少子化の時代、募集要項だけ掲載しても全く意味がありませんので、何をしている会社で、どんな人が働いているのか等広く掲載する必要があります。
公共の職業斡旋所の方から聞いた裏話ですが、最近は募集人数より求職人数の方が少ないので、よりいい条件でないと応募すらないのだそうです。面接が決まっても会社の外観が汚いという理由でやっぱりやめますというのも多いそうです。これは会社の経営者の方からも何回か聞きました。
パッと見、工場や現場は汚く見えても中はすごく綺麗にしていらっしゃる会社さんも多いんで、本当にもったいない。勤務形態もけっこう条件がいいケースも多いように思います。
話はそれましたが、こういうケースだとスタッフさんの声とか、ブログなどは活用したらいいと思います。
次に「どうやって伝えるか」ですが、どの会社さんでもホームページがあるのが当たり前になっているので、ホームページを立ち上げただけではどうにもなりません。
先に例を挙げた従業員の採用のケースだとハローワークや他の募集媒体の補足情報としてホームページを使うことになろうかと思います。
過去にあった例として、頻繁に製品が変わるため、ホームページをコピーしたものをカタログ代わりに使いたいという会社さんもいらっしゃいました。営業マンがタブレットを持ち歩いて、カタログ代わりに見せるというお話もありました。
私がこれまで携わってきた案件の多くは、ネット上でガンガン宣伝して…というものより補佐的な立ち位置としてのホームページ活用が多かったように思います。
どうやって決める?
決裁権を持っている方がいない場合や、担当者の人数が多い場合、1つのことを決めるのに何週間もかかる、なんてことありませんか?
ホームページの打ち合わせでもコンテンツが決まらない、某部署のコンテンツだけ出てこない、等いろいろあります。
これは会社や担当者のスタンス・性格によっても異なるので、一概に言えませんが、「進行役を決める」「期限を決める」等で改善されることが多いように思います。
あとは、全員の前で意見を言わない等でしょうか?発言力のある人の意見に偏ってしまうので、部署ごとに担当者が分かれているような場合は、紙に書いてもらうことをお奨めしています。
紙に書くというときちんとした資料を作らないとと頑張る方がいらっしゃるんですが、そんなものは不要です。
内容さえ分かればそれでいいので、手書きだろうと何だろうと分かればいいんです。
もう1つ重要なのがその情報を担当者間で共有すること。実際にあった話ですが、某部署から掲載してほしいと依頼された内容に他部署から公開不可の申出が出て、ページが作れなくなったことがありました。
その時は担当者以外の方から直接こちらに連絡があったので、担当者に確認しなかった私も悪いんですが、支店や部署がまたがっている場合は要注意です。
今担当させていただいている会社さんは、これらの話をホワイトボードに書いてまとめていくという形式で打ち合わせを進めます。これだけだとどの会社でもやってるわと言われそうなんですが、何がすごいかというと時間管理なんです。
すぐに書き出せるものは書いて、検討中、他に案が出そうなものは次回の課題にして、打ち合わせ中に悩まない。いろんな会社さんにお伺いしますが、打ち合わせ中に悩まないという方はものすごく珍しいです。
打ち合わせする内容も打ち合わせ開始直後に全部書き出していらっしゃいます。そこに出ていないものは次回に、という感じです。
適度な緊張感を持って打ち合わせできるので、非常にいい打ち合わせの進め方だなといつも感心してしまいます。
さぁ、コンテンツを決めよう
マーケティングのプロの方からは怒られそうですが、私は基本的に「誰に」「何を」「どうやって」が決まれば、具体的なコンテンツ作りに着手していきます。
この3つがきちんとしていれば、コンテンツ作りでブレることは非常に少ないです。
コンテンツ作りは具体的に何を掲載したいのかをどんどん出していきます。
この過程で注意していただきたいのは、公開していい情報なのかどうかくらいです。
会社の場合、多かれ少なかれ他社様の機密情報を扱っていますので、どこまで公開していいのかということは非常に重要になってきます。
せっかくホームページを作っても、顧客との関係が悪くなってしまったら元も子もありません。
やっとデザイン!
私のやり方として先にコンテンツをまとめますが、場合によっては同時進行でもよいと思っています。
デザイナーを名乗っていますので、コンテンツが決まる前に先にデザインを見せてほしいと言われることがあります。
ある程度コンテンツとページの割り振りが見えてきたら、デザイン案を起こすようにしています。
とにかくデザインを、と言われることがありますが、ページの割り振りが決まっていないと、結局後でやり直しになるのでやはりある程度コンテンツをまとめることをお奨めします。
自社でデザイン・ホームページ制作をされる場合は何とでもなるので、ここでは割愛します。問題になるのが、業者に依頼する場合です。
これは私のお願いでもあるんですが、何が好きで何が嫌かははっきり伝えていただきたいです。
デザインについて伝えるのは難しいという方も多いと思いますが、他のサイトでイメージを伝えてもらう等していただきたいです。
コンテンツをまとめる段階で、ご要望やご希望はだいたい把握できますが、担当者と決裁権を持った人が別の場合は、決裁権のある方にもお話を聞ける環境を作っていただきたいです。
前の会社でデザイナーをしていた時に、納品後に決裁権のある社長からすべてやり直しという話になって大問題になったことがありました。その時は担当者が全権を任されているとのことで、その担当者の希望通りのホームページになったのですが、決裁権のある社長さんはデザインだけでなくサイト構成もすべて気に入らないとのことで、責任問題になりました。
顧客側の会社内での問題だったので、最終的には作り直しもなく事なきを得たのですが、この案件以降、それまで以上にコンテンツとデザインの確認には念を入れるようになりました。
この時は全権を任されていた方が社長秘書の総まとめをされている方だったので、うまく社内で話をまとめていただけました。
お話を聞いているとその社長さんもコンテンツ・デザインが決まった段階、仮完成時もチェックされていたようでした。なぜ納品後までそのことを言わなかったのかはいまだに謎です。
こんなことは稀ですが、やはりお客様と確認を取りながら進めていくことは非常に重要だなと思います。
まとめ
やりたくないのに担当者になってしまった!という方も中にはいらっしゃるでしょう。正直、最初の段階はお客様にやっていただくこと、決めていただくことが多いので、業者任せにできないのか…と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、お客様のご商売、会社のことはお客様が一番ご存じなんです。外部からでないと分からないことも多いのも事実ですが、一番いいのはお客様と一緒に作っていくこと。
どちらかだけになると偏った内容のホームページになってしまいます。
最初に決めることさえ決めてしまえば、後は業者が制作するだけなんで、楽になります。